以前書いた『オヤジの貯玉1万発』のその後…。
1週間ほど経過した頃、オヤジに聞いてみた、
俺
『貯玉は今どれくらいあるの?』
オヤジ
『2万3千発くらいになったよ(超笑顔)』
俺
『ふーん』
ここでおだてると調子に乗るので…
俺
『間違っても、貯玉換金して等価行かないようにね。』
そう冷めた声で言葉をかけた。
さらに数日経過した日、現在の貯玉状況がまた気になって聞いてみた。
俺
『あれからどうなった?』
オヤジ
『いやー…』
俺
『え?貯玉なくなったの?』
オヤジ
『いや、まだあるよ。』
俺
『残りは?』
オヤジ
『5000発くらい(苦笑)』
俺
『そっか』
その時は特に深く話さずに終わった。
また数日後。
その日は午後から時間があり、偵察目的でオヤジの打ってるホールへ出かけた。
オヤジはいつも甘デジの海を打っているので、一目散にそのシマに向かった。
しかしどこにもいない…。
とりあえず、他のシマを探す…。
”さすがに牙狼はないわな(笑)”
”ミドルの海かな?いや、いないな…”
最後にバラエティーコーナーを覗く。
ここはミドルと甘デジがごっちゃになっているシマだ。
”あーそっか、ここにも甘デジがあったな”
そう思いながら見て回る。
すると、
オヤジがいた。
打っていた機種は、
CR天外魔境…。
1/350ほどの機種だ…。
オヤジは俺の顔を見ると、
”いやー参ったなぁー”><
という顔をして、頭上のカウンターを指差す。
そこには、756回転の数字があった。
俺
『これ全部回したの?』
オヤジ
(首を横に振る)
俺
『…』
オヤジの考えてる事は全てわかった。
【これだけ回っているんだから、もうそろそろ出る頃。今やめて他の人に出されたら嫌なのでやめれない】
おそらく、間違いない。
俺はあえて何も言葉をかけずにその場を去った。
保留0で停止した液晶を見ながら…。
それから2、3日して。
いつも時間があればパチンコ屋に行っていたオヤジが、珍しく家でテレビを見ている。
俺
『貯玉なくなったの?』
オヤジ
『ぁ…うん。』
オヤジはさらに俺の読み通りの発言を続けた。
オヤジ
『あの時、あれから900くらいまで回してやめて、後で見に行ったら出てたよ(苦悶の表情)』
俺
『…』
悲しかった。
今まで散々オヤジには正攻法を話してきた。
別にオカルトが駄目なのではない、極端な話負けたっていい。
少しでも長く好きなパチンコを打てるように、そう思ってきた。
そしてチャンスも2回与えた。
しかし、オヤジは駄目だった…。
確かにいつも表情は疑心暗鬼だったが、それでも早大出身のオヤジの頭脳をどこか信じていた。
そうして、耐えに耐えてたせいか、俺は吐き出すように言ってしまった。
俺
『だからさぁ…何度行ったらわかるの…関係無いって言ってるじゃん…』
最後は言葉を飲み込んだ。
これ以上言わなくてもわかっているようだった。
オヤジの苦虫を噛んだような表情からそれが読み取れた。
そうして、俺はそのまま部屋に戻った。
きっと抜けないんだろうな。
数十年慣れ親しんだオカルトから…。
それからしばらくして、今日。
昼に両親と外食をした。
出不精のオヤジも珍しく一緒に。
なかなか面と向かって話をする事もないので、
逃げ場も無い今、パチンコについて親父と話をした。
まず、以前のハマリ台狙いの件について。
俺
『何度言ったらわかるの?いくらハマってようが関係ないんだって…』
オヤジ
『うーん…そうなのかなぁ…』
俺
『1回転目だろうが、1001回転目だろうが1/300は1/300なんだって。』
ちょっと落ち込むオヤジ。
さらに続けた。
俺
『なんでパチンコが打ちたいの?』
オヤジ
『それは、あれだよ。一種の高揚感みたいな…』
俺
『当った時の快感て事?』
オヤジ
『そう』
俺
『勝つ事が一番嬉しいんじゃないの?』
オヤジ
『それはそうだよ』
俺
『じゃあまずはオカルトを捨てなきゃ』
俺
『名古屋の人の言葉でさ。Pサポの講習会を受けて、”勝つまではいかないけど、負けなくなったよ”って言った人がいるんだよ。少しでも勝てる、もしくは負けないようになれば打ちたい時に打てるじゃん』
オヤジ
『うん…』
そこにオカンが割ってはいる。
オカン
『お父さんは駄目よ。ガンコだから。』
オカン
『昔、おばあちゃん(オヤジのオカン=俺のおばあちゃん)に言われたもの、”健一郎はガンコでしょー?”って』
俺・オヤジ
『…(苦笑)』
さらにオカンは続けた。
オカン
『それにね、この人がギャンブル好きだって結婚してから1年後に知ったのよ。最初の1年はずっと我慢してたみたいで。そしたら1年後に行ってるのがわかってね。”ええ??”ってびっくりしたわよぉ。』
オカン
『お遊び程度かと思ったら、これでだもの…(諦めの表情)』
俺
『まあさ、打つなとは言わないよ。けど、最低限。最低限ね。回らないなと思ったらやめて。”回る台を打つ”って事だけは頭に入れといてよ』
オヤジ
『うん』
こうして外食は終わった。
帰宅し、俺は部屋に戻りタバコをすいながら、これから何をしようか考えていた。
すると、オヤジがなにやらニコニコしてまた出かけようとしている。
俺
『パチンコ??』
オヤジ
『うん』
俺
『お金は??』
オヤジ
『おかあちゃんから給料前借りした♪』
オヤジのオカルト脱却はまだまだ先になりそうだ…。
【チャリで近所の等価に向かうオヤジ】
